(1)国家ライセンスを取得する意義・メリット
日本の少子高齢化による労働人口の減少、特に建築業界や物流業界では人手不足に陥っています。また、都市と地方の格差が広がり、地方では財源が確保できずインフラ基盤の維持が困難になってきている背景があり、国も「空の産業革命に向けたロードマップ2022」を策定し、実施しています。
上記のロードマップ実現に向け、一定のリスクを伴う飛行については高度な操縦技能と持つと認められた人(技能証明取得者)だけに許可することで、市民の安全と社会発展の両立を図り、さらには申請体系が簡素化されるなど、ドローンにおける国家ライセンスを取得する意義、メリットが今後増えることが予想されます。また、業務内容によっては資格の取得が必須になる、といったケースも考えられます。
(2)国家ライセンス「一等無人航空機操縦士」について
カテゴリーⅢ飛行が可能となります。カテゴリーⅢ飛行とは、立入管理を講じないで行う飛行形態のことで、レベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)はカテゴリーⅢの飛行形態となります。
例)観客の入っているスタジアムでのスポーツ中継、市街地への住宅の荷物配送、工場設備などの保守点検、広域施設での警備などの飛行時に必要となります。
なお、カテゴリーⅢ飛行を行う際は、第一種機体認証を受けた機体を使用しなければなりません。また、二等と同様に一部の特定飛行の申請が不要又は簡略化されます。
(3)国家ライセンス「二等無人航空機操縦士」について
二等無人航空機操縦士では、ドローンに関する基本的な知識や技術を網羅しているため、初めてドローンに触れる方にとっての最初の一歩として最適と言えます。
また、ドローンに関する一定の技能を証明するための資格取得を求められている方にとっては、信頼性の高い国家資格の取得は最適であり、対外的な信頼性の担保につながります。
飛行の種類によっては「個別審査が簡略化される」または「個別審査自体が省略される」などの優遇措置があり、DID地区の飛行、第三者及び第三者の物件との距離が30m未満の飛行、夜間飛行、目視外飛行に係る申請が不要となり、それ以外の特定飛行においても審査が簡略化されます。
なお、機体認証を併せて取得しなければ優遇措置は適用除外となるので注意が必要です。